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体験記

心臓腫瘍手術体験記A 心臓にも腫瘍ができるの?

山中 登美子

後で心臓手術の顛末を話したとき、ほとんどの人がまず発した言葉が「心臓にも腫瘍ができるの?」だった。非常に珍しいらしいが、できるのだそうだ。左心房にできる場合が多いが、私の場合は右心房にできていた。良性の場合が多いが、悪性(つまり「がん」)の場合もある。どちらであるかは手術をして取ってみないと分からない。手術のためには、さらに検査を続けなければならない、ということだった。

山を歩いているうちに、やっと軽症うつ病が治ったと思ったら、今度は心臓腫瘍である。年が明けて、検査を受けつづけながら、私はインターネットで検索を始めた。はじめはボーっと聞いていた「胸の骨を縦に切る」という言葉が次第に現実味を増し、恐ろしくなってきたのだ。私の胸にはすでに両乳房を取った縦の傷が2本残っている。そのときの痛みや苦痛も甦ってくる。何とか胸骨を切らない方法はないのか? 調べてみると、あった。

K大学病院では患者の負担を少なくするために、胸骨を切らず、肋骨の間から手術をする方法を取っているという。S大学で、実際に手術を担当する、心臓血管外科医に面会したときに確かめてみると、S大学でも、かつて肋骨の間から手術をする方法をとったこともあるが、今は手術の視野をより広くするために胸骨を切る方法しか行っていないという。で、インターネットの検索を更にすすめると、K大学のセカンドオピニオン外来、という項目にたどり着いた。そこをクリックすると申込用紙のフォームが出てきて、プリントアウトして必要事項を書き込み、FAXで送ると、じきにK大学のセカンドオピニオン外来から電話があって、予約を取ることができた。S大学でも、今までの検査データをCDロムに落としてくれて、快く渡してくれた。

25年前の乳がん手術のとき、最初に診てもらった医師の顔色を伺いながら、意を決してセカンドオピニオンを求めたときと、何という違い。実にスムーズにビジネスライクに、セカンドオピニオンの窓口までたどりついた。しかも医師に面談すると、私の場合も肋骨の間からの手術が可能だと言う。もちろん、私が25年前に両側の乳がん手術を受けていることも話した。その場で手術のための診察の予約をして、ちょっと心を軽くして帰宅したのだった。