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体験記

心臓腫瘍手術体験記@

山中 登美子

2013年4月1日に、私は心臓の手術を受けた。胸骨を縦に切るという手術が怖かったし、手術の後、本当にまた山に行けるようになるのだろうかと、心配でもあった。しかし9月の山行から、何とか参加できるようになっている。手術前に自覚症状はまったくなかったのだから、回復するのは当然のような気もするし、あんなに凄い(らしい)手術をしたのに、よくもまあこれほどに回復したものだ、という感慨もある。

胸骨を切った痛みは1、2か月で消えたが、皮膚を引っ張って閉じたらしい傷口はまだ痛む。気温が下がると、引きつれ感が強くなる。それも乳がんの手術の後のように、少しずつ薄れていくのだろう。まだもう少し山にも登りたいと思う。

以下、4回にわたって連載するのは、その心臓手術体験記だ。『FRCC通信』に掲載したものに加筆したものである。

数え日に心(しん)の病を告げられし

「心臓に2cmぐらいのおでき(・・・)ができているので、取らなければなりません」「どうやって取るんですか?」「胸の骨を縦に切って、開いて取ります」「何でそんなものができたんですか?」「原因は分かりません」「取らないとどうなるんですか?」「肺動脈に飛べば、即死でしょう」「ポックリ死ねるわけですね?」「他所に飛ぶ場合もあります。そうなると、例えば脳に飛べば脳梗塞になります」

真剣なようで、何となく間の抜けたこの会話は、2012年も押し詰まった12月28日、S大学病院の循環器内科で、私が医師と交わしたものだ。25年前に両側の乳がん手術を受けて以来、そのときの主治医の指示で、年に1度、胸のレントゲン写真を撮り、「異常なし」と言ってもらっていた。ところがその年だけは「異常あり。ただし癌ではない。要精密検査」という通知がきた。で、近くのS大学病院で精密検査を受けた結果が上記の会話だった。医師の目の前には超音波検査で撮った私の心臓の映像があって、確かに心臓の中に何かがぶら下がっており、血液の流れによってブラブラと動いている。